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組織活性化事例  

         2015年〜

組織風土改革への本気。

江戸川区にある社会福祉法人江東園は法人のあり方、福祉のあり方の両面から転換期を迎えています。2015年よりOfficeItselfは本法人に関わり、その変革をお手伝いさせてもらっています。数年のプロセスを経て今組織はどのように変わろうとしているか。

研修、関係性コーチングの両方のケースをご紹介いたします。

インタビュー:井上 知和さん 社会福祉法人江東園 TQM本部 事業部長

人財育成に取り組もうと思ったきっかけは何ですか?

井上氏:人が人をサポートしていく仕事なので、働く人そのものの成長が大事。さらに、急激な社会の変化、少子高齢化、価値観の多様化が加速度的になっていく中で、先が混沌として見えない時代になっています。福祉業界も

平成12年の介護保険導入で “福祉”から“サービス”へ大きく変化しました。

そういった変化を受けて、我々も外に出て勉強しなければと思い始めました。平成22年頃から、内閣府事業のNPO組織(非営利組織)向けのマネジメントフォーラムに参加し始めました。改めて私たちのような組織が社会に与える影響は大きいことを痛感し、やはり組織内のマネジメントが大事だと実感しました。平成23年から組織を変えようと具体的な取り組みを始めました。

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我々が出会ったのも「NPOマネジメントフォーラム」のボランティアスタッフとしてでしたね。

 

井上氏:そうですよね!そこで様々な出会いがあって、“ファシリテーション”“コーチング”などのスキルがあるんだということを知りました。フォーラムスタッフは自らがファシリテーションなどのスキルを学ばなければならないので、すごく勉強になりました。自分が体験した、苦しんだり、考えたりしたことは腑に落ちる体験に差が出る。そう実感したので、体験型のリーダーシップ、コーチングなどの研修を法人内で取り組もうと思ったのです。

私が担当させてもらったのは平成24年の次世代を担うコアメンバーを中心とした「リーダーシップ研修」からでした。

 

井上氏:「自分なりたい自分とは何か」スキルよりリーダーシップという観点で言うと、会社の枠を超えて、一人一人に視点を当たった考え方、豊かな人材が集まるのが組織に必要と考えたため、リーダーシップ研修を導入ました。翌年もさらにその下の層にやっていただき、組織文化を創るきっかけになったと思います。
私自身も初回に参加して、「自分を俯瞰してみるということ」「人のリーダーシップを尊重していく」ということが大事だなということを感じました。おかげで、働くスタッフが社風、文化から乖離して他人事になってしまったり、ほっとくと上意下達になっていたりということが起きていることをしっかり捉えられるようになりました。1つチームで起きていることは全体に起きているという考え方でものを捉えたり、視座が高まった経験を覚えています。

ここまでで見られた変化はなんですか?

井上氏:組織のあり方そのものに目を向けるスタッフが増えて、一緒に考えてくれているスタッフが増えたのが大きな実績です。メンター制度も定着しつつありますし、少しずつですが変革の土台は築かれてるなと。

例えば平成30年のコーチング研修の参加者の半分は、これまでこういった研修に見向きもしなかったスタッフでした。

コーチング研修はたしかにこれまで見なかった顔ぶれが集まってました。

 

井上氏:コーチング研修はやり方もそうですが、それ以上にこれから組織で目指す「協働意識」を伝えるにはとてもいい場でした。我々は長らく“施す側”にいたのですが、それでは色んなことに対応しきれない。自分以外の力を引き出すことが大事なんです。これがコーチングの研修の必要性でした。

平成29,30年は4つのチームに関係性コーチングを積極的に導入されてますね。

井上氏:当法人は急速に働き方改革も進んでいます。加えてスタッフたちの価値観の変化も大きい。時間が変則に流れていて、余裕がない中、チームの破綻をきたすようなギスギスした雰囲気もあったのも事実です。私たちの法人は理論的に言葉にする人がそれほど多くない。そんな人達同士のミスコミュニケーションは日常の業務のなかでなんとなく疲れる、なんとなく傷つく人が多くなる。対人援助職だからこそ、その中でなんとなく自己犠牲というのではないやり方を変えていかないといけない。故に関係性コーチングの必要性を感じているんです。互いに補え合えるような関係性になってほしい。

今後はどんな育成を目指していきますか?

 

井上氏:目指しているのは豊かな人生が送れる自律した職員を増やすと言うこと。利用者さんやご家族の価値観、職員、外国人、今後たくさんのステイクホルダーが関わってきます。当然価値観は多様化する。同時にさまざまな問題が起こることが予想される。都度、即時にそういったことに対応できる人をたくさん増やしていく必要があります。また人がどう考えて、幸せに向かっていくかというのが考えるのがしにくくなっているので、その辺りを私たちが試されている。仕事ができるスタッフというよりも豊かな人生が送れる教育、育成という観点で捉えていきたい。

ありがとうございました。

社会福祉法人江東園http://www.kotoen.or.jp/) 

1982年に社会福祉法人江東園として認可が降りて以来、老人福祉、障がい者福祉、児童福祉の3つの分野で江戸川区を中心に施設・サービス事業展開を行なっている。特に幼老一体型の取り組みや、世代間交流、その長い歴史ゆえに国内外からも注目されており、これまでに中国、韓国、シンガポール、ベトナムといったアジア圏はもとより、フランス、英国、ドイツなどのヨーロッパからも視察が来るほどである。現在職員数約250名。利用者数約500名。

リーダーシップ研修の流れ 

対象:部長、課長、課長候補者 30名
実施:6ヶ月間 1ヶ月に1度3時間の研修を5回。3回目から講師2人体制で実施。

目的:

  • 江東園ブランドである「世代間交流」を軸にした新たな社会の実現に向け、人財育成理念である「輪〜あいさつ・キャッチ・タフ〜」をの意識を持った人財を育てるきっかけとする。

  • 世代交代による「次の江東園」の姿を模索すべく次世代のマネージャーおよびプレマネジャーを育てるきっかけとする。

  • 互いに他の部門も関心をよせ、江東園内から“輪”を意識できる組織づくりのきっかけとする。


<参加者の声>

「明らかに”他責”だった自分に直面して、”自責”へと考え方が変われた。見たくない自分と向き合うのは大変だったけ ど、今はその経験を生かして、辛いなと思う時こそしっかり向き合える強さを手に入れたと思う。」

「内省する力が強くなった。一旦立ち止まって考える。そのおかげで反応的に動いていた自分を客観的に見れている。 さらに、どんどん外に飛び込んで行こうと思えるようになった。外の世界は怖い時があるが、それでも飛び込みたい という気持ちの方が強くなった」
 

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法人のお客様<組織活性化事例①

組織活性化事例 ②をみる ▶︎

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